映画『1917命をかけた伝令』が2020年2月14日から公開されます。

イギリス・アメリカ制作の戦争映画。

監督は、『アメリカン・ビューティー』でアカデミー賞を受賞したサム・メンデス監督

第1次世界大戦に投入された2人のイギリス兵の一日を描きます。


高い評価を受けている作品で、

アカデミー賞では、撮影賞ほか3部門受賞、

ゴールデングローブ賞では、作品賞・監督賞 受賞、

英国アカデミー賞では、最多7部門も受賞しています。


とくに評価されているのが、戦場シーン

凄い!面白い!と絶賛を受けています。

1917命をかけた伝令の戦場シーンですが、凄い臨場感や緊迫感を感じ取れるような映像体験ができると評判です。

この魅力的な戦場シーンは、ワンカット映像という特殊な撮影方法で撮られています。

ここでは、1917命をかけた伝令で話題になっているワンカット映像についてご紹介します。



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ワンカット映像とは?

ワンカット映像とは、1シーンをカット割りせずワンカットで撮られた映像です。

普通の映画は、モンタージュといって、視点のことなるいくつかのカットを組み合わせて、1シーンを作っていきます。

映画で、このモンタージュの撮影を有名にしたのがソ連の映画監督セルゲイ・エイゼンシュテインという方。

『戦艦ポチョムキン』の「オデッサの階段」がその典型とされています。

それがこちらの映像。

その後、日本では黒澤明監督の『七人の侍』で戦場シーンなどが、モンタージュの凄みを見せたと言われています。

ハリウッドでもコッポラ監督、スピルバーグ監督などがモンタージュ撮影を使用し、

ハリウッドの標準編集形態となっています。

なので、我々はカットを細かく重ねたモンタージュ映像に慣れていることになります。


ところが今回公開される『1917命をかけた伝令』では、このモンタージュと真逆の撮影手法となるワンシーンをワンカットで撮る手法を用いられています。

この撮影手法も昔からつかわれてきており、

ワンカット映像で有名な監督としては、アンドレイ・タルコフスキー、テオ・アンゲロプロス、タル・ベーラ、溝口健二、相米慎二などがいます。

日本人では、特に溝口健二などは、長回しで有名な監督で、

『雨月物語』『山椒大夫』などの長回しは世界的に評価されています。


では、『1917命をかけた伝令』でのワンカット映像を見てみましょう。

カメラを移動させたりはしてますが、一切カット割りがないワンカット映像となっています。

1シーンが3分も超えるだけでなく、兵士が廃墟の中から外にでて、ミルクを飲み、戦闘機が墜落まであります。

非常に難易度の高い長回しで、高い技術が必要になります。

カメラや機材の動きが演技と同期していなければなりません。

モンタージュであれば、編集でここをカットしてこうつなげよう、とか後でどうにでもなりますが、

ワンカットの撮影ではごまかしがききません。

この撮影手法は、一つでもミスってしまえば、また取り直しになってしまうので、カメラマンだけでなく、俳優も高い集中力が必要になります。

このシーンをワンカットでやってしまうのは凄いですね。



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撮影監督のロジャー・ディーキンスとは?

尚、『1917命をかけた伝令』の撮影を担当したのがロジャー・ディーキンス

イギリス・デヴォン州トーキー出身の映画撮影監督です。

アカデミー撮影賞にはこれまでに13度ノミネートされている方で、

2017年には、『ブレードランナー 2049』で初受賞を果たしています。


こちらが、ロジャー・ディーキンスが『1917命をかけた伝令』の撮影について話している動画です。

照明にもかなりのこだわりがあるようです。

まとめ

2020年2月14日から公開される戦争映画『1917命をかけた伝令』。

この映画では、ワンカット映像の戦場シーンが凄いと話題になっています。

ぜひとも映画館で大きなスクリーンで戦場の臨場感や緊張感を味わいたい映画ですね。



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